国立文化財機構文化財活用センターによる文化財鑑賞ソリューション【8Kで文化財「ふれる・まわせる名茶碗」】で、重要文化財『油滴天目』の3Dデジタルアーカイブ開発を担当しました。


文化財活用センターによる8Kで文化財「ふれる・まわせる名茶碗」※1において、九州国立博物館の監修のもと重要文化財『油滴天目』(中国・南宋時代、九州国立博物館蔵)の3Dデジタルアーカイブ開発をシャープマーケティングジャパン株式会社と共同で担当いたしました。







■ 重要文化財『油滴天目』の高精度3Dモデル生成


複雑に変化する『油滴天目』の表面は、光学的な3Dスキャン技術で捉えるのが困難な対象物でしたが、本件では、複数の手法を組み合わせた技術により、高精度3Dモデルの生成に成功しています。


Thigh-precision 3D model of Yuteki Tenmoku



■ 3Dモデル上の表面材質の再現


当社では、3Dデジタルアーカイブにおける表面材質を高度に再現する独自ワークフロー、Digi:reBUILD [ディジ・リビルド]※2 の改善を重ねてきました。
本件では更なる改善により、『油滴天目』の複雑かつ細密で美しい表面の質感を再現するべく、当社の開発段階において、32K画像相当の情報量を実現しました。
また『油滴天目』が持つ視点の角度や光の当たり方で色が変化する特性、「構造色」を再現する技術※3 のための、『油滴天目』の特性を抽出した素材生成を行なっています。


Thigh-precision 3D model of Yuteki Tenmoku


なお、本開発においてはSubstance 3D Painterを介して米Adobe社にご協力いただいています。
この場をお借りしてAdobe Inc.およびSebastien Deguy氏にお礼を申し上げます。



■ 愛知県陶磁美術館にて展示中


8Kで文化財「ふれる・まわせる文化財」は、愛知県陶磁美術館にて現在公開中です。


愛知県陶磁美術館 (8Kで文化財「ふれる・まわせる名茶碗」展示:本館2F 第3展示室)
https://www.pref.aichi.jp/touji/use_guidance/
構造色の再現技術に関するプレスリリース(シャープ株式会社)
https://corporate.jp.sharp/news/220314-b.html
実世界指向メディア研究室(小池崇文教授)
https://tk-lab.org/




※1独立行政法人 国立文化財機構文化財活用センターが東京国立博物館、シャープ株式会社と共同開発した文化財鑑賞ソリューション。文化庁「令和3年度 地域ゆかりの文化資産地方展開促進事業(先端技術を活用した文化資産コンテンツ制作プロジェクト)」により制作され、愛知県陶磁美術館にて2022年3月15日より公開中。直接手に取ったり、間近で観察したりすることが難しい貴重な美術品や工芸品、文化財などの高精細画像を8Kディスプレイに表示し、画像を拡大・回転させながら細部まで鑑賞できます。
※ 2 「Digi:reBUILD」は株式会社StockGraphyの登録商標(第6454271号)です。
※ 3 シャープマーケティングジャパン株式会社と法政大学 情報科学部 実世界指向メディア研究室(小池崇文教授)が共同開発するものです。
※ 本件フォトグラメトリー担当:伊藤 佑真



■ StockGraphyのその他の活動


3Dの産業活用事例メディア兼3Dツール販売webサイト
【BEGIN3D.com】
https://begin3d.com/jp/


【RealityCaptureの販売ページ】
https://begin3d.com/jp_realitycapture/
※本件の『油滴天目』3Dモデル生成にもRealityCaptureが利用されています。




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